インプラントが難しい場合の治療法

歯周病が進行していたり、長い間歯を抜けたままにしていたりすると、顎の骨は正常な機能圧がかからないために、やせ細ってしまいます。顎の骨が薄くなると、インプラントの固定することができないため、インプラント治療を行うことは難しくなります。 しかし、たとえ骨が薄い方であっても治療が不可能なわけではありません。ここでは、インプラント治療を行うための骨に関する様々な処置についてご紹介します。インプラント治療を行う上で以下の治療が必要になる場合があります。

ソケットプリザベーション
ソケットプリザベーションとは、残せなくなった歯を抜く時に行う、骨を最大限に残す為の方法で、骨の吸収を防止するために、抜歯の時点で人工骨などを「穴(抜歯窩)」に入れて骨を再生させる方法です。

抜歯すると、歯があった場所に「穴」があきます。この「穴」を抜歯窩と言います。抜歯窩は、時間とともに周りの骨の吸収が進み、痩せて薄くなってしまいます。そうなってしまうと、インプラントを埋め込むことが難しくなるため、骨再生治療を行います。骨が痩せて薄くなる前に処置をしておく方が負担が少なくてすみます。

ソケットプリザベーション

1. 残せなくなった歯を丁寧に抜歯し、抜歯窩を清掃します
2. 抜歯窩に人工骨を入れます
3. コラーゲンでできている膜を上からかぶせます
4. 歯肉や仮歯で抜歯窩を閉鎖し、骨の吸収が起こるのを防止します

歯を抜いた部分に人工の骨・コラーゲンなどを入れることにより、骨の吸収を防ぐことができます。歯を抜くと、歯があった部分は時間とともに骨が吸収して薄くなっていきます。

歯を抜いた周囲の骨は、そのままにしておくと2~3年の間に40%~60%が吸収すると報告されています。また、抜歯後1年ほどで上顎は2mm・下顎は4mmもの骨の高さがなくなるとされています。ご自身の骨を温存するためにも、この処置は有効です。ブリッジ、または入れ歯を選択なさる方にも骨が保存され有効です。

FGG(遊離歯肉移植術)
上あごの内側(口蓋)から上皮のついた歯肉を切り取り、インプラントの周りや歯根の周りに移植することにより、硬く動かない歯肉(角化歯肉)を獲得する方法です。インプラントの周囲に十分な量の硬く厚みのある丈夫な歯肉があることで、術後の経過や清掃性の向上に有利とされています。インプラントを行う部分の歯肉の厚みの少ない方におすすめします。

こちらの治療は保険の適用になります。(提携グループ歯科医院の「ますだ歯科」での受診となりますが担当医は同じです)

FGG

GBR法(骨誘導再生法)
欠損した骨組織の再生を促す治療法です。減った部分の骨と歯肉との間に人工骨をいれ、人工膜を置きます。4~6ヶ月程度経過すると、骨が再生されます。インプラントを埋めるために必要な骨の量が少ない方におすすめします。

1. インプラントを埋め入れます
歯槽骨の吸収が著しいため、インプラントの表面も露出しています。

2. 自家骨または骨補填剤を入れ、人工メンブレンで覆います
GBR法の場含、再生させたい組織は骨だけなのでGTR法のように歯根膜の再生の必要はなく、インプラントを支柱にし、生体材料でできた人工メンブレン(専用の膜)で覆うことができれば、骨の誘導再生が可能です。また、人工メンブレンは歯肉などの軟らかい線維性の組織細胞の混入を防ぎます。人工メンブレンが動かないように固定用のピンを使用する場含もあります。

3. 歯肉を戻し、骨の再生を待ちます
人工メンブレンの設置が完了したら、歯肉を元に戻して骨の再生を待ちます。この期問は、術部に必要以上の刺激を与えないよう注意が必要です。骨の再生速度に個人差はありますが、一般的には4~6ヵ月程度で再生されるといわれております。

4. 人工の歯を装着します
骨が再生され、インプラントがしっかり固定されたら、人工の歯(上部構造)を作製して装着します。新しく骨が再生されたことで、歯肉も滑らかな美しい形状になります。

GBR

上顎洞底挙上術(サイナスリフト)
上顎骨の内部には上顎洞と呼ばれる大きな空洞があります。この空洞は様々な要因がきっかけとなり、拡大する傾向があります。また、歯がなくなると歯槽骨も吸収されるので、上顎においては歯槽骨側と上顎洞側から骨吸収が進行することも少なくありません。そこで、膨らんできた上顎洞に移植骨や骨補填材、最近ではインプラント本体の一部を挿入して、上顎洞の底部分を押し上げる技術が開発されました。これが上顎洞底挙上術です。

1.歯がなくなると、歯槽骨の吸収が進行します。上顎の場含は、図のように上顎洞の拡大も進行する可能性もあり、歯槽骨はさらに薄くなります。2.歯槽骨の骨量が少なくなると、図のように必要なインプラントが埋入できなくなリます。3.歯槽骨の薄い部分の上顎洞底部に移植骨や骨補填材を填入します。このとき、インプラントを同時に埋入する場合と、インプラントは骨の造成が完了してから行う場合とがあります。骨があまリにも薄い場含は、インプラントの固定ができないので、後者の方法を選択します。4.インプラントが生着したら、人工の歯(上部構造)を製作し装着します。

ディストラクション
ディストラクションとはインプラントを骨に埋め込む際に、「インプラントを埋め込むことができる骨の高さ(垂直的な骨の高さ)がない場合」に行う治療方法です。吸収された歯槽骨(歯を支える骨)の高さを揃えるために開発された「ディストラクションインプラント」を使って、骨を垂直に動かし、歯槽骨に埋め込んだ後、徐々に全長を延ばし、望まれる高さまで歯槽骨を移動させます。

1.インプラントを埋め込む留めの骨の高さが不十分な状態2.ディストラクションを行う部位の粘膜を切り取ります3.ディストラクターを取り付ける位置を決め、ドリルや骨ノミを使って骨片をつくります4.デイストラクターを取り付け、手術1週間後から少しずつ引き上げていきます5.歯槽骨が再生し、インプラントを埋め込むための準備ができました

スプリットクレスト法
GBR法は骨の量、サイナスリフトは骨の高さが足らない時の処置法ですが、スプリットクレスト法は骨の厚みが足らない時の手術方法となります。歯槽頂(歯を支える骨の上部)から骨を半分に割っていき、割ったところにインプラントを埋入し、その骨でインプラントを挟み込みます。大きな違いはGBRやサイナスリフトのような骨を増やす治療だと出来上がるのを待つ必要があるため治療期間がかかる場合がありますが、スプリットクレスト法だと3~4ヶ月で骨が再生され、よりはやくインプラントとの結合が望めます。